では次期監督は誰なのか
衝撃的な出来事が突然起きたわけだが、球団と親会社である読売新聞の不祥事対応は流石だったと思う。多くのファンに支えられている人気商売であるため、辞任は避けられないと判断したのだろう。辞任の発表は早く、そしてうまかった。
辞任会見を逮捕の翌日午前中に開いたことで、12時のニュースに間に合うだけでなく、民放各局のワイドショーや新聞の夕刊でも報じられるようにした。さらに長女の手紙を読み上げることで、SNSでの間違った情報を訂正すると共に、家族内では解決済みだということを世の中にアピールできた。
球団の山口寿一オーナーは、元々は読売新聞の司法担当の記者で球界の暴力団対策で名をあげた危機管理のプロである。更に球団の法務担当も代々、新聞社の司法担当記者の経験者が務めるなど、危機管理には力を入れてきた。
阿部監督の辞任を受けて今シーズンは橋上秀樹オフェンスチーフコーチが監督代行を務めるが、ジャイアンツでのプレー経験が無い監督は球団史上初で非常事態だ。
川上哲治、長嶋茂雄、藤田元司、王貞治、原辰徳、堀内恒夫、高橋由伸、そして阿部慎之助。
日本で最も歴史が長い伝統球団であるジャイアンツの監督は、生え抜きの四番打者もしくはエースが代々務めてきた。では、次の監督は誰なのか。筆者の予想では、ズバリ松井秀喜さんだと思う。
長嶋さんとの生前の約束
「たいへんありがたいお話ですが、私は可愛い2人の後輩の邪魔はしたくないのです」
かつて、松井秀喜さんが「将来、ジャイアンツの監督にならないのですか?」と問われた時、こう答えたという話を聞いた。可愛い2人の後輩とは、かつてジャイアンツの監督を務めた高橋由伸と阿部慎之助だという。
「2人はいずれジャイアンツの監督になる時があるでしょうから、そのタイミングを私が邪魔をしたくないのです」
2024年春に阿部慎之助監督が誕生した際に宮崎キャンプに取材に行った。その場には阿部監督誕生に合わせて6年ぶりに臨時コーチとしてアメリカからやって来た松井秀喜さんの姿もあった。また、今年の春に宮崎キャンプを取材した際には、侍ジャパンの指導で来ていた松井秀喜さんにジャイアンツの監督をやらないのかと聞いてみたが、いつものニコニコした笑顔で否定も肯定もしなかった。
松井秀喜さんにとって最も絆が深かったのは長嶋茂雄さんだ。長嶋さんが昨年亡くなった際に、アメリカから駆け付けた松井秀喜さんは「長嶋さんと生前に約束したこともあります」という話をした。「約束」の中身については明らかにしていないが、将来、ジャイアンツの監督になることではないかという声が当時も多く聞かれた。
