調査概要/gooリサーチと共同でインターネットを通じて調査を実施。子どもを持つ男女2000人から回答を得た。調査期間は11年8月17~20日。

就職氷河期以来、有名大学の学生たちに対しても大手優良企業の採用の門は閉ざされ続けてきた。有名私立に在学しても、内定が1つも取れないような学生がゴロゴロしている。そんな子どもを持つ親の本音はなにか。

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究極の選択として、お子さまに望むのは、どちらですか

「究極の選択として、お子さまに望むのは、『高学歴低収入』と『高収入低学歴』どちらですか」と率直な質問を親たちにぶつけたところ、衝撃の調査結果が示された。回答者全体の約80%の人々が子どもには『高学歴低収入』よりも『高収入低学歴』を期待していることがわかったのだ。現代のような不確実性が増している時代では、生きていくために必要な「現金」が重要という親の現実的な判断が窺える。

高学歴よりも高収入を選択した親は「高学歴が高収入につながる世の中ではないから」「学歴がすべてではなく、世の中をうまく渡れる人になってほしい」「高学歴だからと言って収入が保証されるわけではない。しかし、学歴はカネで買える」などとコメントしている。一方で、少数派ではあるものの、高年収よりも高学歴を選択した親は「金があっても使い方がわからない馬鹿にはなってほしくない」「人生の豊かさは教養の高さによって決まると思う」と辛辣だ。「高学歴を誇る人も、高収入を誇る人も下品だが、低学歴高収入には、水商売の香りがする」という意見もあった。

この点についてさらに掘り下げて分析してみると、親の学歴によって回答傾向に差違が見られることも同時に確認された。

大学院・東一早慶など偏差値64以上の大学卒の親(A層)の36%が「高収入よりも高学歴」を選択したのに対し、MARCHなど偏差値64未満~55以上の大学卒の親(B層)は31%、MARCH未満などの偏差値55未満の大学卒の親(C層)は24%、短大・専門学校以下の学歴を持つ親(D層)は13%と低学歴層になればなるほど徐々に高学歴志向は低下していく。つまり、裏を返せば低学歴者であるほど、子どもに高学歴よりも高収入を求めるという結果だった。