弱い立場の者には厳しい
小沢は共産党にさんざん「悪者扱い」を受けたことになる。無罪放免となった後の小沢は共産党や『赤旗』を名誉毀損などで訴えることもできたはずだが、そうはしなかった。
検察に踊らされたという共産党の「弱み」をつかんだ小沢は、共産党の路線変更に大きな影響力を持つようになる。野党共闘に伴う「自衛隊容認」も「天皇容認」も小沢からの進言を共産党が受け入れた結果である。
陸山会事件の教訓を小池が学んでいたとすれば、郵便制度悪用事件では検察のつくったストーリーに乗ることはなかったはずだが、小池は同じ轍を踏んだ。一年以上の長い裁判闘争の中で村木厚子は無罪判決を勝ち取った。同時に検察の証拠偽造という不正を暴いた不屈のヒロインとしてマスコミから持ち上げられる立場になった。
政界の中で一番厳しい疑惑の目を村木に向けていた共産党は手のひらを返したように村木に擦り寄り、勉強会等の講師に招いたりして、「取調べの可視化」「えん罪の防止」などで法務省や検察を追及するために村木を利用し始めた。
だが共産党と村木との間に友好関係が築かれた後も、村木の参加する集会等に小池が出席した記録は見当たらず、小池と村木の面会は今日に至るまで実現していないようである。ここでも小池は、弱い立場の者には厳しいが、誤りが明らかになっても謝罪できないという人間としての本性を露にしているのである。
「パワハラに当たる」と警告処分も…
ただ、その小池もついに反省と謝罪に追い込まれた。
2023年11月14日の常任幹部会で小池はオンラインで公開されていた会議での高圧的な言動が問題視され、党規約に基づく警告処分が下された。小池は同日の記者会見で「会議での私の言動はパワーハラスメントそのものであり、あってはならないことだった。私自身の品性の上での弱点があらわれたと自己総括している」との反省を述べた。
問題は同月5日、全国地方議員・候補者会議で起きた。小池は報告者を務めたが、その際、候補者の名前を間違えて発言していた。司会をしていた田村智子政策委員長(当時、現委員長)が、間違いを訂正したが、これに小池が激昂し、田村に近づき「訂正する必要はない。ちゃんと読んでいる」などと強い口調でしっ責した。
この様子を私もネット動画で見たが、日頃の小池の態度を知っている私にとっては、上から目線のふてぶてしい物言いは小池の“いつものこと”だから、正直、何が問題なのか、気づけなかった。小池のしっ責を受けている田村の態度も、ふつうのこととして受け流しているようにも見えた。
しかし、まずいことにこの会議は全国にオンライン中継されていたから、小池が田村を見下してしかる様子を多くの人々が目撃することになった。中継後、党本部に「パワハラではないか」という抗議が殺到したという。
結局ここでも小池は世論に「全く反論できなかった」。いや、パワハラ行為から10日もたってから、ようやく反省の弁に至ったということは、この間に小池が懊悩していたというべきか。いずれにしても、このパワハラの件で小池の党委員長就任の道は閉ざされてしまった。
早く謝ってしまえば良いものを……と思わざるを得ないが、間違いを認めないのが、共産党の伝統でもある。その意味でいえば、小池は共産党幹部の典型である。



