筆者が出した「夏休みの宿題」

夏休みの現代文の宿題で、「読書2冊とその本の紹介文を書く」という課題を出したことがあります。

これが、先ほどお話しした「本を読み終えて72時間以内でアウトプットする訓練」です。

子どもたちはこのとき、ただ読むだけではなく、「人に説明することを前提」に内容を丁寧に拾い読みしていました。

この意識が高い子ほど、ほんの200~400字程度の紹介文でも、本全体の内容をまったく読んだことのない人に伝えられる文章を書くことができます。

かなり核心をつかんだ書き方をしているので、その本に書かれている内容がよくわかるのです。

また、読みの幅を広げ、深くまで読むことを可能にしてくれるのが「読んだ本について、他者とディスカッションする」という活動です。

人は自分のいままでの経験やもっている知識からしか物事を判断できないと言われています。ですから、ひとりで読んでいると、その読みの幅や深さが限定的になるということにもなります。

そうならないためにも、読みっぱなしにせずに、読んだ内容を深く思索し、アウトプットする。それが自分の今後にもずっと使えるノウハウとなって落とし込まれます。

「説明する経験」が大きな差を生む

そして、ディスカッションを通じて自分とは違った見方を提示されることにより、ひとり読みでは到底到達できないレベルで読書の視点が広がります。

市野瀬早織『東大合格者が身につけた 一生使える「読み方スキル」』(東洋経済新報社)
市野瀬早織『東大合格者が身につけた 一生使える「読み方スキル」』(東洋経済新報社)

スポーツや芸術でも、試合や舞台など、何らかの本番を控えているときは短期間に大きく成長しますよね。今回紹介した読解も原理は一緒です。

「人に説明する」というひとつの目的に向かって一点集中するという、脳がいちばんリラックスして没頭しやすい状況をつくることができます。

だからこそ、集中的に「いまここで説明に必要な情報」と「そうでもない情報」に文章の内容を選別できるのです。

この練習を日頃どのくらいやっているかによって、読解のスピードも深さも、読む視点の多さもずいぶんと差が出てくるのは言わずもがなです。

私の経験からも、テストなどで的確な解答ができる子は、お話し好きであることが多かったです。

いま思えば、日頃からインプットしたことを人に説明する経験が多かったと言えるのかもしれません。

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