「社会で求められるスキル」を現代文で養う

「あなたはどう考えたの?」

社会で問われつづけるこの視点を現代文の授業でこそ養いたい――こう考え、私は日々の授業に取り組んできました。

そして、教え子生徒たちは見事に私の予想を超えてくれたのです。

この作業を授業で繰り返していったことの効果と感じられるのは「テストの記述問題で白紙解答は、200名超の一学年の生徒のうち、平均的に1人か2人に留まった」という点が挙げられます。

定期試験を受ける高校生
写真=iStock.com/ferrantraite
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総合的に難しくて、単純な時間不足で白紙になるケースはありましたが、本当に「何も書けない」と判断した生徒はほぼいなかったと記憶しています。

「読んで考えることは、人に伝えられる」

このスキルを、子どもたちは読者論的読みの積み重ねによって習得したと言えます。

また、読者論的読みは、文法や語彙の知識にもとづいて、その場面に書かれている内容や作者の意図していることを、まずは正確に読み解く必要があるという特徴があります。

「文章を読んで感想を言う」の驚くべき効果

つまり、より「文章を客観的に正しく読むルール」を身につけていることがかなり重要なのです。

なぜなら、その文章の内容を別の人に説明するときに的を射た内容として伝達できるか、否か? という点で大きな差が生じてくるからです。

「ただ読んだ文章に感想を述べるだけ」と思う人も少なくありませんが、じつはこの積み重ねが多数のアウトプットの機会で当人を輝かせることになっていたのです。

実際に、「正確に読み取ったうえで、自分の意見を言う」ということに慣れていた生徒たちは、校外のプレゼンテーションの大会で賞を獲得するなど大活躍でした。

あなたが今日からできることといえば、作品の書評を記録してみるといいと思います。これを続けていくことで、実感していただけるスキルアップがあるはずです。