「デジタル政党」は独裁化しやすい

2000年代と2010年代の選挙では、候補者や政策の選択に関する有権者の声を、デジタルツールの活用によって直接届けていくことを約束する新しい政党がいくつか現れた。ドイツ海賊党からイタリアの五つ星運動に至るまで、そうした新しい政党は、インターネットが持つ参加型という特徴が、新しい種類の参加型政治をもたらすというビジョンを掲げていた。

しかしジェルバウドの説明によれば、そうした政党は実際には独裁制になり、「巨大な支持基盤スーパーベース」が、その代弁者である「ハイパーリーダー」に従う構造になっていた。代議制民主主義のように制度化された枠組みが存在しないため、ひとりの人物に桁外れの権力が集まったのである。

インターネットの進化を受けながら、分散化は結局のところ独占に行き着いたのだった。マスクの「X」は、この一見矛盾するような進化を利用した。彼の作った街の広場タウンスクエアは誰にでも開かれているが、その広場の中心に置かれた演説台に立つたったひとりの人物、つまりマスク自身に権力を与えるような作りになっていた。