AI需要の恩恵を享受する2社
こうした要所を握る企業群のなかでも、AIブームの恩恵をことさら大きく受けている日本企業に、ディスコとアドバンテストがある。
半導体切削・研磨装置大手のディスコが手がけるのは、ウェーハの薄化やダイシングと呼ばれる精密切断の領域だ。華やかさとは無縁の工程だが、この分野で世界首位に立ち、AIチップ製造に欠かせない加工工程を一手に担う。
Disco本社(東京都大森)2004年11月11日撮影(写真=HokuhokuhokukunOiso/CC-BY-SA-3.0-migrated-with-disclaimers/Wikimedia Commons)
半導体市場調査アグリゲーターのセミコンダクターインサイトが日経アジアの報道として伝えたところでは、AI関連需要の急増を追い風に、同社は2024年度の受注で過去最高を記録した。
同メディアによる分析では、AIサーバーのラック(複数のサーバーを格納する棚)が世界のどこかに1台増えるたびに、ウェーハ薄化のサプライチェーン全体に需要が波及するという。韓国のサムスン電子など、HBM(高帯域幅メモリ)メーカー各社が増産に走っていることから、ウェーハ研削装置で世界首位のディスコへの発注は急増している。
国内半導体市場で20年ぶりに首位交代
一方、半導体検査装置大手のアドバンテストも快進撃を繰り広げている。
米金融情報サービスのブルームバーグによると、アドバンテストは時価総額で10兆円の大台を突破し、2006年以来初めて東京エレクトロンを上回った。東京エレクトロンといえば、半導体製造装置で世界有数の規模を誇り、長らく日本の半導体関連株の象徴として君臨してきた企業だ。
昨年9月時点で、アドバンテスト株の年初来上昇率は約43%。東証株価指数(TOPIX)の上昇率13%に対し、3倍以上の差をつけた。AIチップが高性能化するほど、テスト工程は否応なく複雑さも重要性も増す。同社は今、AIブームのメリットを真っ正面から受けている。
