プラズマテレビはすでに限界
――先日、10月1日付で役員人事を行いました。定例人事は4月です。役員人事をはじめ、人事異動は今後も柔軟に実施していくことになりますか。
【津賀】何事もないときであれば、定期時のローテーションだけでいいでしょう。しかし、よくよく考えてみれば、4月には新たな期が始まるということ以外に、特別な意味はありません。また事業計画も1年単位でいいのかという議論もしている。私のなかでは、4月だから、10月だからというものはありません。取締役は株主総会の承認を経ることになりますから、よっぽどのことがない限り、途中で代わるということはないでしょう。だが、役員については取締役会の承認だけで代えることができます。より透明性を持ったプロセスを確立すれば、いつでも異動はありです。事業部長に関しても課題があれば、すぐに代えることは辞さない。これもスピードのひとつです。
――先日、ヘルスケア事業子会社の全株式を、米投資会社のKKRに1650億円で売却すると発表しました。利益が出ているヘルスケア事業を売却する理由は。
【津賀】今後この事業を成長させるためには、多くの資金投入が必要ですし、専門的な見識や、お客様との深い結びつきが必要となります。結果として、自前でやるには限界がある、コア事業として大きく投資していくことはできない、そして見識もそこまでない、と判断したわけです。ヘルスケア業界そのものは有望だが、パナソニックが事業を伸ばしていけるかどうかは別の話です。より伸ばしていただける方と一緒にやることが、関わっている社員にとっても、技術や事業にとってもプラスに働くと判断しました。