「消費税増税は日本の将来のため仕方ない」(鈴木会長)。しかし、軽自動車税の増税は、そもそも本当に必要なのか。地方は外郭団体を含め、本気で行財政改革に取り組んでいるのか。さいたま市(旧浦和市)の公的機関・勤務経験者は話す。

「歌舞伎役者や落語家と同じく、代々にわたり市役所に勤める地主一家はけっこういる。固定資産税を支払う代わりに子息を雇用させている形だが、無能な職員ばかり。彼らこそ税金を食い尽くす“シロアリ”だ」。

繰り返されるさまざまな増税を、本当はどこかで止めなければならない。少なくとも、タックスイーターを生かし、増殖させるための増税であってはならない。

軽自動車は地方にとっての“足”であり、インフラに等しい。社会の高齢化が急速に進む中で、弱い者イジメを強行してはいけない。

スズキ会長兼社長 鈴木 修氏
「東京のお役人は田舎の現実がわかってない」

――軽自動車の増税論が総務省から浮上しているが。
スズキ会長兼社長 鈴木 修氏

【鈴木】100万円のダイヤモンドは消費税5%を含め105万円で買えるのに、自動車は消費税のほかに取得税や重量税、さらに自動車税がかかる。国民生活にとって、タンスにしまっているダイヤよりも自動車が大切なのは言うまでもない。なのに自動車はすでに2重に課税されており、これから消費税が上がり、さらに軽自動車税まで増税されるのは、そもそもおかしな話だ。(消費税が10%となったとき)自動車取得税が廃止される代わりに軽自動車税を上げるという。自動車に関係する税の中だけでやり取りするやり方はいかがなものか。

特に軽自動車ユーザーは低所得の方が多い。取得税がなくなり軽自動車税が大幅増税されれば、低所得の人の税負担が増える。つまり、軽自動車税増税は弱い者イジメだ。弱い者をいじめる貧弱な考えがまかり通ることを僕は悲しく思う。

軽自動車は、鉄道やバスもない地方に住む人々にとってなくてはならない存在だ。お父さんは小型車で通勤し、お母さんが軽を使う。お爺ちゃん、お婆ちゃん、子供たちを病院に連れていったり、買い物に行くにも、農山村の狭い道路を運転できる軽自動車は必要。税制改正は生活者の現状を直視して行うべきだ。