その上で、法律が定める業種規制をどのように読み解くか。まず、ミャンマーに進出するために知っておくべき業種規制の大枠を示そう。最低限度、この枠組み(3分類)だけでは押さえておく必要がある(外国投資法施行規則4条・5条)。
(1)「禁止・制限される事業」
→MIC通達:21種類の禁止・制限事業
(2)「ミャンマー国民との合弁によってのみ認められる事業」
→MIC通達:42種類の合弁によってのみ認められる事業
(3)「特定の条件においてのみ認められる事業」
→MIC通達:115種類の所管省庁の意見書、連邦政府の承認が必要な事業
→MIC通達:27種類の特定の条件付きで認められる事業
→MIC通達:34種類の環境アセスメントが条件となる事業
これが、ミャンマーにおける業種規制の大枠である3分類だ。そもそも禁止される業種、ミャンマー国民との合弁でのみ認められる業種、条件付きで事業が認められる業種という3分類だ。自身がミャンマーで行う事業の種類(業種)が、この分類のどれに該当するのかを、まず精査する必要がある。
(1)の「禁止・制限される事業」の対象は21事業。その名の通り、ここに規定されている21業種においては、外国企業はミャンマーにおいて事業を行うことができない(営業ライセンスを取得できない)。
(2)の「ミャンマー国民との合弁によってのみ認められる事業」は、42業種規定されている。
(3)の「特定の条件においてのみ認められる事業」は、一定の条件が付くが、外国企業による事業が認められる業種で、その中でも認可区分が更に3つの小区分に分けられており、行政各監督官庁の承認を得る条件の事業、個別に特定の条件が付く事業、環境関係のアセスメントを添付することが条件の事業といる分類だ。
例えば、進出相談件数の多い、不動産業。住宅やコンドミニアムの建設、販売、賃貸などは、「ミャンマー国民との合弁によってのみ認められる事業」の42事業の中に規定されており、外資100%での参入はできない。現地パートナーとの合弁事業の形態をとる必要があるのだ。その他、ホテルについては、3つ星以上のホテルのみ外資100%が認められ、それ以外のホテルについては、ミャンマー企業との合弁でのみ参入を認めるとの規定がある。同規定は、「特定の条件においてのみ認められる事業」の内、27種類の特定の条件付きで認められる事業の内の1つだ。