※本稿は、松村邦洋『松村邦洋とにかく「豊臣兄弟!」を語る』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
秀長が見初めて一夜をともにした女性とは…
大河ドラマ「豊臣兄弟!」主人公・秀長の恋人で白石聖さん演じる直。「鎌倉殿の13人」(2023年)で新垣結衣さんが演じた八重みたいに幸の薄い役じゃないかと予想してましたが、やっぱり悲劇の最期を迎えました。
秀長がわざわざ故郷を出て秀吉についていった理由は、実はハッキリしないんですけど、直はそこを補う役回りでしたね。迷う秀長の背中を押しましたし、お父さんの喜左衛門との最後の賭けも、秀長がこの先ずっと頑張り続ける動機付けになってました。いい脚本ですねえ。
実際の秀長には、その生涯の中で女性の影がほっとんど見えないんですよ。側室が16人もいた兄者を見てげんなりしたのかどうかわかりませんが、側室は長いこといなかったそうです。
ところがずっと後、大和郡山城の城主になってから突然、光秀尼っていう尼さんが現れるんですよ。
明智光秀とは全然関係なくて、大和国の国人――土豪とか豪族とか、小さな大名みたいなもんです――である秋篠氏の娘で、秀長の一回りぐらい年下です。理由は分からないんですが、出家して大和国の法花寺にいました。
そこへたまたま秀長が参詣に来て、光秀尼を見初めたんですね。そして郡山城に連れ帰って一夜をともにします。秀長も男だったんですねえ。
直役・白石聖さんが再登場するかも?
城からお寺に返された光秀尼はじきに妊娠しまして、自分の姉が住職を務める尼寺の興福院に身を寄せます。けど、どんどんお腹が大きくなってきたので、衆徒の1人が引き取ってそこで女の子を生むんですよ。
それが秀長の耳に入るんです。秀長は光秀尼を郡山城へ呼び寄せて還俗させ、俗名をお藤にして親族に紹介します。真面目な秀長はちゃんとケジメはつけたわけです。
お藤がそのまま秀長の側室になったかどうかは不明ですが、興福院にあるお藤のお墓には秀長の身寄りであることがわかるように葬られてるそうですよ。ちなみに生まれた女の子はおきくと名付けられて、あとあと安芸国の毛利家に嫁ぎました。
もしかしたらこの光秀尼改めお藤が直の生き写しってことで、白石さんの再登場もあるかもしれませんね。視聴者も「なら許す!」って言ってくれそう。同時に、仲野太賀さんが慶=正室の慈雲院役の吉岡里帆さんに土下座するシーンもあるんでしょうか。


