1日30分未満の学習でも成績が高いワケ

「なんだ、読書が成績を上げるわけじゃないのか。じゃあ読書なんかやめて、勉強だけすればいいじゃん」と思われたでしょうか。しかし、勉強時間を除いた「読書『だけ』で得られるプラス効果」もきちんと存在します。

猪原敬介『科学的根拠(エビデンス)が教える 子どもの「すごい読書」』(日経BP)
猪原敬介『科学的根拠(エビデンス)が教える 子どもの「すごい読書」』(日経BP)

仙台市教育委員会が市内の小学生と中学生を対象に行った大規模な学力調査の結果を分析し、まとめた書籍(※)があります。この書籍によると、勉強時間が同じくらいの参加者を集めてグループにしたところ、そのそれぞれのグループの中で、「読書時間が長いほど学力調査の成績が高い」という結果が得られました。

(※)松﨑泰・榊浩平・川島隆太(2018).最新脳科学でついに出た結論「本の読み方」で学力は決まる(青春新書インテリジェンス).青春出版社.

例えば、中学生の参加者について、1日あたりの勉強時間が「30分未満」のグループだけを取り出して分析した場合も、読書時間が長い人は学力調査の成績がよかったのです。そのグループ内の人に、勉強時間の差はそれほどありません。みんな、1日あたり30分も勉強はしていないのです。

しかしその中にも、読書習慣のある参加者とそうでない参加者がいます。中学生の4科目(国語・数学・理科・社会)の平均偏差値で比較してみると、読書時間が「まったくしない」と回答したグループの平均偏差値は45程度、「1〜2時間」と回答したグループの平均偏差値は50以上でした。4科目平均の偏差値が5以上違うというのは、小さくない差なのではないでしょうか。

黒板に上向きの棒グラフを描く子供の手
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです
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