本が好きな人ほど数学・英語の成績も良い

さらに、別の科目も見てみましょう。折れ線が多くなって少し見にくいですが、小学6年生の「算数」と「理科」、中学3年生の「数学」「理科」、そして「英語」をまとめてグラフにしました。見てのとおり、すべての科目で、「国語」と同じく、「当てはまらない」から「当てはまる」まで、直線的に成績がよくなっているのがわかります。

これは「読書が好きであるほど、学力が高い傾向がある」ことを意味しています。直線的によくなっているのだから、学力向上という点で「読書が好きであればあるほど、よいことだ!」と言ってしまって構いません。

もちろん「読書が好きだ」という気持ちひとつで、学校の勉強ができるようになるわけではありません。

こうした結果には、

・読書だけで得られるプラス効果
・読書とセットになっている別の活動・本人の特性・環境のプラス効果

の両方が含まれています。

例えば、読書が好きで本を長時間読む人は、読書に時間を使ってしまう分、勉強時間は短くなってしまうような気がしませんか?

データが示す学習意欲を支える読書習慣

しかし実際には違います。読書をする人は、勉強もよくするのです。38ページで10年間で勉強時間が減っていることを示すのに参照した東大とベネッセのデータで、学校がある日の1日あたりの読書時間と1日あたりの勉強時間の関係を分析してみました。

参加者数は1学年につき7000人から1万4000人もいますので、これはかなり信頼できるデータです。

小学1年生から高校3年生まで、すべての学年で検討したところ、高校3年生以外のすべての学年で「読書時間が長い人ほど、勉強時間も長い」という結果が得られました(高校3年生だけは「読書時間と勉強時間は無関係」という結果になりました。これは受験の影響だろうと思われます)。

折れ線グラフで示すと、次のような形になります(図表4)。

ここではわかりやすく小学1〜3年生、小学4〜6年生、中学1〜3年生、そして高校3年生を除いた高校1〜2年生の結果をまとめています。

グラフからわかるように、読書時間が長い人ほど、勉強時間も長くなるという「右肩上がり」の折れ線が描かれています。つまり、このグラフが示しているのは、読書をする人は勉強もよくするものであり、「読書が好きな人ほど学力が高い」というのは、勉強をよくしたから学力が高い、ということかもしれないのです。