心の土台「愛着」を理解する

同じ出来事でも、動揺する人とそうでない人がいるのはなぜでしょう?

実は、幼い頃に両親などの養育者との愛着の傷を抱えていると不安を感じたり、傷つきやすくなることが多いのです。

愛着とは特定の人と結ぶ情緒的な(心の)絆です。子供時代にしっかり甘えられ、守られた人は「不安・怒り・悲しみ等ネガティブな気持ちになっても、誰かが守ってくれるから大丈夫」と心の安全基地ができます。

笑顔の親子
写真=iStock.com/yamasan
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愛着の絆があると人は「謝る」「満足する」「やってみよう」という行動がとれます。愛着の絆が感情を育てるのです。

建物も基礎工事が脆弱だと地震に弱く、グラつきやすくなるように、幼い頃に家庭内で作られる愛着が弱いと心が不安定になりやすいのです。

虐待などの逆境体験がなくても、子供が無条件の愛、「自分は大切な存在で愛されている」「生きる価値がある」と感じなければ、愛着形成ができません。すると「自分は生きていてもいい存在だ」という安心感を得られず、情緒が不安定になりやすいのです。

生きづらさを感じやすいHSP思考

例えば、こんなことはありませんか?

・自分は人に迷惑をかけてはいけないと思っている
・もっと頑張らなくてはと常に思っている
・他人にいつも気を遣う
・自分さえ我慢すればいいと考える
・役立たずな人間だと思われたくなくて、人の期待に応えようとする
・他人が叱られていると自分まで落ち込んでしまう

もし、当てはまるものが多ければ、愛着の傷を抱えているかもしれません。

これらは、最近よく知られるようになった繊細さん=HSPと似た思考です。

HSPとは「Highly Sensitive Person」の略で「感覚が敏感な人」で、あらゆることに敏感で生きづらさを感じやすい人です。HSPが生まれつきの気質であるのに対し、愛着の問題は幼児期に安心できる親子関係を築けなかった後天的なものだという違いがあります。

愛着の傷が癒えていくと、心が揺さぶられにくくなります。

愛着形成が心を安定させる