エロスパムを連投する中国当局

荒唐無稽すぎる話は、かえって反論が難しい。とはいえ、調べる気になれば一瞬で見破れるデマである。なぜなら、中国のメディアにもSNSにも、北京市内の交通情報にもフライトレコーダーにも、さらに北京在住邦人のXのポストも、異常は一切みられなかったからだ。なにより習近平の外交日程が変更されず、当時はイギリスのスターマー首相が60人の財界人と大量の国際メディアを引き連れて北京に滞在中だった。街におかしな動きがあれば、間違いなく国外に伝わる。

ちなみに、Xで「北京」と検索すると中国語の不適切なスパムが大量に表示される現象も、クーデターの根拠とされた。Xのプロダクト責任者のニキータ・ビアが1月31日(日本時間)にポストしたところでは、中国国内で政治的変動があった際に、中国政府の手によって意図的に検索を困難にするような広告が大量にばら撒かれる現象があるためらしい。エロスパムが氾濫した一件だけは、陰謀ではなく事実として工作があったとみられる。

とはいえ、これはクーデターのせいではなく、そもそも「張又侠失脚」自体が大事件であるためだろう。VPNなどを使用してXを閲覧する中国人や、海外在住者に余計なことを調べさせないための措置だと考えるのが妥当だ。