1年かかった開発がAIであっという間にできる

「ビジネスのサイクルそのものが変わった」と語る高須氏がその象徴として名を挙げるのが、上海発の半導体メーカー「Espressif Systems(エスプレッシフ・システムズ)」だ。

エスプレッシフ社の本質は、単なる「安価なチップを作る中国企業」というだけではない。開発者がアイデアを即座に実装できる「開発環境」の提供にある。かつてインターネットにつながる製品(IoT製品)を市場に出すには、3年から5年の歳月が必要だった。しかし、エスプレッシフがWi-Fi通信などの「製品の本質ではないが必須な機能」を安価なチップとオープンソースの開発環境として提供したことで、状況は一変した。

「他社なら製品化に1年かかるところが、エスプレッシフを使えば『あっという間』に出荷できる。彼らは、つくり手たちの『新しい企画を早く試したい』『本質的な価値の開発だけに集中したい』というニーズに完璧に応えたのです」