メンタル不調時の脳内は“忙しい”

よくメンタルが病んでいると言うと、「脳が怠けている」「甘えている」と思われがちですが、脳科学的にはそれは全くの誤解です。不安やうつを抱える人の脳はDMNを中心にむしろ過剰に活動しており、「働きすぎて疲弊している状態」にあるのです。

つまり、メンタル不調は脳が怠けているのではなく、むしろ過剰な活動によって消耗し、本来の能力を十分に発揮できなくなった状態であると理解することが重要です(詳しくは、拙著『「気の持ちよう」の脳科学』〈ちくまプリマー新書、2022〉にも記しています)。

情報があふれる現代社会だからこそ、意識的にこのDMNの暴走を鎮め、脳を休ませてあげる必要があります。そのための有効な手段の一つが、実は「読書」なのです。読書を通じてゆったりと深く物事を考える時間は、マインドワンダリングを適度に抑制し、脳の過活動を和らげるため、私たちの認知機能や脳の健康を守る上で不可欠なものなのです。