「慶應に関していえば、活動実績も早稲田ほど配点が高くない。経済に興味があって、証券会社主催の論文コンテストに3年連続で論文を出した子がSFCに受かりました。活動に成果は出ませんでしたが、出し続けたという努力と、入学した後も同様に学びを続けて、返事の手紙を書きなさい」という問題が出題されている。
「早稲田の小論文はある程度の読書習慣がないと厳しい。一方で慶應の小論文は導き出したい結論から逆算して、言葉の定義からきっちり詰めて書かねばならない」(藤岡氏)
それでは、両大学を受験するうえで向き不向きはあるのだろうか。
「両大学の向き不向きでいえば、目の前にある知識や経験をコツコツ積んできた勤勉タイプは早稲田、目標を掲げ、そのためにすべきことを見極めて取り組むというビジネスマンタイプの思考回路ができている人は慶應が向いているかもしれません」(藤岡氏)
地方学生に有利な特別枠が!
「大学は学びの場として、学生の文化的な多様性が欲しい。そこで地方学生を積極的に呼び込もうと、早稲田大学社会科学部と、慶應大学法学部では地方の生徒が受験しやすくなる措置をとっています」(藤岡氏)
両学部では表のような地方学生を優先的に入学させる制度を設けている。こうした制度がありながら、実際には活用する生徒は少ないという。
「慶應大学法学部のHPには“定員の充足率に著しい偏りが生じた場合、調整を行う”旨が記載されています。ブロックごとの合格者数は公開されていませんが、この記載は地域によってかなり受験者数が違うことを示していると考えられます」(新城氏)地方枠のある両学部の出願に必要な条件は、「評定平均4.0以上。部活動、生徒会、課外活動でめざましい活躍」(早稲田大学社会科学部)、「評定平均4.0以上」(慶應義塾大学法学部)となっている。真面目なタイプの生徒には、それほど高いハードルではないだろう。