「とても勉強になりました」をどう変換するか
感謝を伝えることは重要ですが、ありきたりな定型文では、相手の心に残りませんし、次のアクションには繋がりません。相手は同じような定型文を、その日だけで仕事やプライベートで何十通も受け取っているからです。
あなたのメッセージは、無数の「ありがとうございました」の中に埋もれ、すぐに忘れ去られてしまいます。この「縛り」を通じて、定型文がいかに「無駄」であるかを身をもって体験し、そこから全速力で逃げる意識を徹底することが、言葉のプロフェッショナルへの第一歩なのです。
【ルール2:ありきたりな表現を「個別化」せよ】
禁句を決めたら、次のルールは「言い換える」です。
「本日はありがとうございました。大変有意義な時間でした。おいしかったです!」
このありきたりな文章を、どうすれば相手の心に刺さる言葉に変換できるでしょうか? 答えは、「具体的かつ個別のエピソード」に置き換えることです。
悪い例:「本日はありがとうございました。とても勉強になりました。」
良い例:「本日はありがとうございました! ○○様から伺った『一気に来月の売上が2倍になりそうな商談テクニック』、特に『商談で使うべき魔法のワード』が、まさに目から鱗でした。明日から早速使ってみます。それから、最後の炊き込みご飯、アサリの香りが立っていて、美味しかったです!」
どうでしょうか? この文章には、こんな工夫が凝らされています。
「ちょっと遅れます」は相手に不安を与える
具体的な数値や固有名詞を盛り込む:「来月の売上が2倍」「アサリの香りが立っていて、美味しかった」といった具体的描写は、その時間を明確に覚えていることのアピールにつながります。
個別のエピソードに絞る:「商談で使うべき魔法の特定のワード」といった、その場の一部の会話内容に触れることで、「ここが特によかった」と聞き手としての真剣さが伝わります。
感情の変化を伝える:「目から鱗でした」「明日から早速使います」といった言葉は、相手が提供した情報が「自分にどんな影響を与えたか」という感情の変化だけでなく、具体的な行動まで宣言することで本当に役にたったことをアピールできます。
最初はしんどいかもしれませんが、このトレーニングは、ありきたりな抽象的な表現を避け、言葉に魂を込めるための有効な手です。
【ルール3:質問には「固有名詞と数値」で答えよ】
会話の場面でも、この「個別化」のルールは徹底できます。相手から質問されたら、ありきたりの返答をする前に必ず立ち止まり、固有名詞と数値を入れることを自分のルールにしてください。
「ちょっと遅れます」→「7分遅れます」
「ちょっと」という曖昧な言葉は、イメージできません。「7分」という具体的な数値で伝えれば、相手は明確に状況がわかり、安心感を持てます。

