「自爆」によって2本の指を失った

五十六も、バルチック艦隊との戦いでは負傷していない。戦いが終わった後、「日進」の前方に備え付けられていた八インチ砲が突然、爆発したのだ。一瞬、敵艦隊が砲撃したのかと思われたが違った。激しい砲撃を繰り返した八インチ砲が熱に耐えきれず、備え付けられた砲弾とともに破裂した。そして、八インチ砲の近くにいた五十六、他11名が吹っ飛んだ。

この時、五十六の左手の2本の指は皮一枚でなんとかつながっているだけの状態になり、右の太ももの裏側は飛んできた破片でえぐられた。「日進」の甲板は爆発を受けた12名の血で真っ赤に染まったという。

五十六は2本の指を失った。そして、右足は壊死をまぬがれたもののひどい傷痕を残した。五十六は、「日進」の艦上で、艦長や砲術長の壁になって、八インチ砲の暴発から身をもって守ったと、うそぶいたが、入院生活は4カ月近くに及んでいる。