ホロコーストをめぐる「歴史家論争」

イスラエルとハマスの戦闘で、ドイツ社会に「分断が生じている」と指摘したのは、ハンブルク大学教授のユルゲン・ツィンメラー(58歳)だ。

戦闘開始直後、ドイツの当時の首相ショルツはいち早くイスラエル入りし、首相のネタニヤフと会談。イスラエルの安全はドイツの「国是」と表現した。「国是」という強い言葉は、前首相のメルケルが2008年にイスラエル議会(クネセト)での演説で使い、議員たちから喝采を浴びていた。ツィンメラーは「当時、その言葉に注意を払った人はほとんどいなかった。誰もその意味を深く考えていなかった」と振り返る。

ドイツでは、ナチの犯罪と言えばホロコースト、最大の犠牲者はユダヤ人だ。そのユダヤ人の国、イスラエルとの連帯は「過去」から導かれる疑いようのない答えと見られてきた。