バブル化した「ワクチン事業」

大阪では、21年のアルファ株による感染第4波で、重症病床使用率が100%を超えて医療が崩壊した。重症化しても入院できずに、自宅や介護施設などで亡くなる人も相次いだ。

「そもそも人口あたり世界一の病床数を誇る日本で、他国に比べると各段に重症者が少ないのに、患者を受け入れられないことがおかしいのは自明でしょう。僕がやったことは『かかりつけ患者だけは何があっても診る。重症化リスクがあれば保健所に頼み込んで受け入れ先を探してもらう』ということだけだから、偉そうなことは言えませんが、『かかりつけ医に見捨てられた』という患者を診るたびに疑問に感じ、怒りを覚えました」