「エンプティカロリー」にだまされた結果
だが、一部でお酒はエンプティカロリーとも言われているが、真意はどうなのだろう?
「エンプティは“空っぽ=栄養がない”という意味で、“カロリーゼロ”という意味ではありません。お酒にもアルコール由来のカロリーが含まれていることを覚えておきましょう」(浅部さん)
私事だが、“エンプティカロリー=カロリーゼロ”と勘違いしていたころ、ダイエットアプリにお酒のカロリーは一切明記していなかった。後からまったく痩せない理由がわかって愕然としたことがある。
ちなみにアルコール(エタノール)のカロリーは、1gあたり約7kcal。脂質の次に高いエネルギー源なので、決してスルーできるものではないのだ。
「シメのラーメン」を欲するメカニズム
「これらに加えて大きな影響を及ぼすのが、アルコールによる血糖値の乱れです。アルコールは、肝臓が“足りない糖を自分でつくり出す”働き(糖新生)を妨げるため、飲んでいるうちに血糖値が下がりやすくなります。すると脳は“エネルギーが足りない!”と判断し、強烈な炭水化物欲求を引き起こします。これが“シメのラーメン”を猛烈に食べたくなる理由です」(浅部さん)
今でこそシメのラーメンは食べなくなったが、飲んだ後にラーメンをはじめとする炭水化物(糖質)が欲しくなる気持ちが良く分かる。アルコールによって食欲中枢が麻痺するからと思っていたが、主犯は血糖値だったのか。
しっかりカロリーがある上に脂肪の燃焼を妨げ、脂肪の蓄積を促進し、さらには血糖値まで下げて「シメを食べよ」と誘惑までするお酒。本丸である、肥満を回避する具体的な飲み方を浅部さんに教えていただいた。
「結局は量が問題なんです。ビールはアルコール度数が低く飲みやすいため、どうしても量が増えやすい。糖質が多いのもありますが、最大の問題は“量が飲めちゃう”点にあります。過日、私もインド出張の際、大ジョッキを3〜4杯、合計約2リットルを超える量を飲みました。それだけで優に1000キロカロリーは超えていますからね。これでおつまみを食べたら、簡単にカロリーオーバーになります」

