大手全社が販売する淹れたてコーヒー。今年1月、セブン-イレブンが最後に参入し、カフェチェーンを凌ぐ勢いで伸びているという。なぜ注力するのか。「売り上げ以外の目的」を明らかにする。

コーヒーが売れると水も売れる

コンビニコーヒーには利用客の購買意欲を促進し、客単価を押し上げる効果もある。どのチェーンでも、男女を問わずパンやデザートを併せて購入する客が目立つという。

「とくに朝が好調ですね。スイーツだけではなく、おにぎりと併せて購入するお客さまが多い。おもしろいことにドリンクとの併買率も高いんですよ。水やお茶、ジュースと併せてコーヒーを買っていく。これはカフェチェーンにはない現象でしょう」(ミニストップ・ファストフード商品部 コーヒーチームマネージャーの木島雅彰氏)

【2】(http://president.jp/articles/-/10591)で述べたようにコンビニコーヒーはリピート率が高い。つまり、購入されるたびにほかの商品の売り上げもプッシュするということだ。市場戦略論(マーケティング論)を専門とする首都大学東京大学院の准教授・水越康介氏は、ついで買いを誘うコンビニコーヒーの力をこう評価する。

「品揃えが多いのはコンビニの強み。これは100円でコーヒーを販売しているマクドナルドにはないアドバンテージです。価格の弾力性があるのも大きいですね。ほかの商品と組み合わせて◯円引きという設定ができますから」

コンビニの商品点数は約3000。ファストフードやスタバの比ではない。季節季節で各社が強化したい商品とコーヒーを組み合わせた値引きやキャンペーンも今後、活発化しそうだ。