食事のマナーは必ず確認する

「育ちの良い人」たちがまず見ているのが「食事のマナー」についてである。

箸の持ちかた、上げ下ろし、ナイフフォークの使い方は、身に付けていて当然のこと。結婚適齢期を過ぎてもなお、箸がえんぴつ持ちなどはありえないし、その食べ方も相手には見られている。

レストランで食事をする女性
写真=iStock.com/kokouu
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いつまでも口の中でクチャクチャとモノを噛む「クチャラー」、食べ終わったお皿の上にご飯粒がきたなく残っていても平気、といった人は敬遠される。また、出てきたものを残さず食べることも、マナーの一つであることは言うまでもない。自分が食べられるだけの分量を注文するのも育ちの良さの表れともいえる。

フレンチのコースなどで、添えられたパンを先にたくさん食べてしまい、メイン料理のころには、お腹一杯、では本末転倒だ。食べるペースについても、会話を楽しみながら相手に合わせて食べる、ことだってマナーの一つである。

婚活デートには欠かせない、食事。育ちの良い人は、どこでどんな場所でも恥ずかしくない食事のマナーは絶対に身に付けているし、結婚相手にも同様のマナーを身に付けていてほしいと思うものだ。

「価値観の違い」を感じた意外なポイント

「歯並びが悪かったんです。私、無理です」

お見合いを終えた35歳のある社長令嬢が第一声に言った言葉である。お相手は39歳の京大卒のエリート男性。優しく微笑んだプロフィール写真には、歯は写っていない。

「歯並びの悪い人とは、価値観が合いません。育ってきた環境が違いすぎます」

歯並びだけで、相手の価値観がわかるというのだろうか?

歯の矯正には、それなりの時間とお金が必要で、自分はもちろん多くの同級生たちが、歯の矯正をして、美しい歯並びを手に入れてきた。

いわゆるお嬢様たちは、美しい素肌や髪やメイクやおしゃれ以前に、その土台ともなる歯の矯正のために、ピアノやバイオリンやバレエといった習い事と同じように、親の意思で矯正歯科に小学校時代から通わされてきたのだ。

彼女たちにとっては、それはごく普通のことで、何ら特別なことではない。もちろん、これはあくまでも「育ちの良い人」たちの判断基準であり、婚活全般に当てはまるものではない。歯並びが悪いからといって交際するべきではないとは思わないし、見た目だけで人を判断するべきではないのは当然のことだ。

しかし、筆者が見てきた範囲の「育ちの良い人」たちにとっては、見逃せないポイントであることは確かなのだ。