豪華なハネムーンを提案して破局

そして何よりも、自分の実家の財力や、背景から自分を選ぶようなパートナーなど望むはずもない。

以前、筆者が運営する結婚相談所の会員となった30代の女性が、名門一家の御曹司の30代男性と交際することになった。交際は順調に進み、真剣交際も見えてきたタイミングで、ハネムーンの話になり、彼女は「ファーストクラスでヨーロッパ一周がしたい」と希望した。

クリスマスのイルミネーションを眺めているカップルの後ろ姿
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彼は、高校時代から海外留学を経験してきたが、彼はずっとエコノミークラスで移動してきたし、子供のころからの海外への家族旅行も、両親はビジネスクラスだったが、子供たちはエコノミーだった。これは、両親が、子供たちにお金の大切さを教える一環でもあり、身をわきまえた人間になるための勉強の機会でもあったのである。

彼は現在、会社の跡取りとして仕事に取り組んでいる最中で、収入もそれなりにある。ただとはいえ、ファーストクラスを望む女性とは、この先すべてが順調にいくかわからない暮らしを共に乗り越えていく自信がなくなった。

残念ながら、このご縁は白紙になってしまった。

財産目当てかどうかはすぐにバレる

もちろん、お見合いの席や、デートの中で、実家の場所や所有している不動産のことばかり話題に出す相手は、一発NG。

受け継がれてきた資産や不動産は、自分だけのものではなく、これを守り、自分の孫子の代まで受け継いでいきたいと考えている人が多い。

だから、あさましく相手の資産状況を探ろうとされると、拒否反応を起こす。

プロフィールには、両親の住まいの場所や、学歴、職業などの記載があるのが結婚相談所のプロフィールのよいところではあるが、ここから見えてくる「実家の太さ」の確認を、結婚が決まらないうちからされたら「カネモク」の片鱗を感じる。「財産狙い」の相手には、資産家の子女は敏感に反応するのである。

育ちが良く、金銭的に余裕がある男性は、デートでは当然のように女性分のお会計も支払うものだ。

男性は女性にごちそうするものと考えているし、女性が行きたいという場所には連れていきたいし、女性が喜んでくれる笑顔を見ることが何よりうれしい。だが、女性におごりなれているからこそ、デートのたびに、すべてを奢ることが当たり前、と思っている女性を見抜く力もある。

行きたいレストランのレベルがどんどん上がっていく女性に、自分は彼女の財布なんだろう、と感じてしまったとしても無理はない。