悩み「まとまった時間がとれない」

Getty Images=写真

社会人がある程度まとまった時間勉強しようとすれば、出勤前の早朝か、仕事後か、休日しかないだろう。

勉強が本業の受験生のようには、たっぷり時間をとれない。だが、篠原氏は「3時間連続で学習するより、60分ずつ3回に分けたほうが効率よく、記憶の定着もいい」と言う。

元金融マンで弁護士の荘司雅彦氏も同意見だ。

「同じ勉強を長時間続けていると、最初に覚えたことが次の記憶の定着を妨げ、さらにその後で覚えた内容がまた……と効率が悪くなります」

ひとまとまりの時間は、50分間がちょうどいい、と話すのは内藤氏。

「人間の集中力は約50分で切れます。同じ姿勢で机に向かっていると、血液中に疲労物質の乳酸がたまることも原因の1つ。疲れるとやる気も失われてしまいます」

ならば、1回の勉強時間を50分以内に収めれば効率はいいのだろうか。内藤氏によれば、集中度を縦軸、時間経過を横軸とすると、勉強のパフォーマンスのグラフは「逆U字型」になる。つまり、長すぎるのと同様に、短すぎてもパフォーマンスは上がらないのだ。

とはいえ、通勤などの“細切れ”時間しかとれないビジネスマンも多いだろう。荘司氏は自身の体験をもとに、テクニックを教えてくれた。

「私は5分、10分、30分用など、ニッチな時間用の勉強ツールを用意していました。資格の取得でも英語の勉強でも、必ず覚えるべき用語や重要単語があるはずです。それらを通勤時や、昼食後といった隙間の時間に覚える。単元ごとに1ページ読み切りに編集した教材も市販されていますし、教材を切って張ってオリジナルのツールをつくってもいい。確保できる時間にあわせて、それを持ち運べばいいんです」