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悩み「計画が立てられない」

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うまいプランを立てられない、いつも計画倒れになってしまう……。そんな人ほど、「計画を立てたら、絶対にそのまま進めないといけない」と杓子定規に考えている場合が多い、と諏訪東京理科大学の教授で脳科学者の篠原菊紀氏は言う。

「仕事の場面では予定通りに進むことはあまりなく、リスケジュールするのが普通です。勉強も同じでしょう。あまり綿密で壮大な計画は立てず、勉強を始めてリスケのときに精密化すればいい」

篠原氏によれば、リスケという作業は前頭葉を活性化する効果もあるという。前頭葉は何か問題が発生したときに対処したり、閃きなどクリエーティブな働きをする。

「スケジュール通りの進行では、前頭葉は活発に働きません。リスケを前提に柔軟な計画を組むことが、脳の上手な使い方です」

ビジネス心理学の第一人者で立正大学特任講師の内藤誼人氏も、計画は経過とともに修正すればいいという考え方。最初は勉強のレベルを高くせず、スイスイこなせるようにする。それでは物足りなくなったら、負荷を徐々に上げていくのがポイントだ。

「自分のレベルより、ちょっと上の難易度の問題に取り組むことで鍛えられます。これを、スポーツ心理学で『オーバーロード(過負荷)の法則』と言います」

元金融マンで弁護士の荘司雅彦氏は、初めから計画が狂うことを想定して1週間のプランをつくっているという。

「1週間のうちのどこかの曜日は、半日ぐらいまるまる空けておいて、仕事で勉強できなかった日の分をそこに入れ込んでします。そもそも私が計画を立てる1番の目的は、『今日はがんばった』と満足感を持って寝るため。そのためには、計画を達成できるようにその都度、調整することが欠かせません」