発足3年後も評価は高まらず

さらに、サッチャーは政権内でも孤立気味でした。彼女の側近である財務相や産業相を除けば、閣僚の多くは必ずしも彼女の方針に賛同していなかったのです。男性中心の政治文化のなかで、女性首相としての影響力はまだ限定的だったといえるでしょう。

こうした内憂外患のなか、政権発足から3年がたった1982年初頭の段階では、「サッチャー政権は間もなく終わるだろう」という声が政界・メディアを問わず広がっていました。

インフレは収まらず、失業率は高止まりし、国民の間には「改革の痛み」への不満が広がっていたからです。強すぎる改革と、成果の見えにくさ――このギャップが、当初のサッチャー政権をきわめて不安定なものにしていたのです。