FX口座の放置による多額の損失も…

山形真紀『検視官の現場 遺体が語る多死社会・日本のリアル』(中公新書ラクレ)
山形真紀『検視官の現場 遺体が語る多死社会・日本のリアル』(中公新書ラクレ)

『もしものとき、身近な人が困らないエンディングノート 令和版』では、デジタル終活の生前対策として、(1)「身近な人に託すもの」と「隠したいもの」に分ける、(2)見つけやすいようにデータを整理する、(3)オンライン金融資産を集約する、(4)SNSで繋がる人への希望をまとめておく、(5)ID、パスワードを書き残す、などを挙げています。SNSも種類により追悼アカウントとして残せたり、削除したいなら家族の申請が必要だったり、対応はさまざまです。

また、デジタル遺品のトラブル例として、ネット銀行口座の発見の遅れや相続争い、FX口座の放置による多額の損失、仕事関連のデータ流出、さらには秘密にしておきたい情報によって家族を心理的に不快にさせるケースもあるようです。

死後の「秘密の発覚」

検視の現場でも、例えば、不倫相手と旅行中やラブホテルにいる際の変死事案で、不倫を知った家族の憤りを垣間見ることがありますが、そのような秘密の発覚は現場で亡くなった場合にとどまりません。自宅で病死したとしても、メールやロケーション履歴などのデジタルデータは警察も家族も確認しますので、秘密にしておきたい個人の事情などが死後明るみに出てしまうこともあります。いくらいい人として人生を終えても、デジタル遺品により台無しになってしまう恐れがあるのです。

パソコンやスマートフォンなどの端末を死後発見された時のことや、デジタル遺品をどう残したいのか、または残したくないのかなどを考えておく必要がありそうです。

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