文字よりもピクトのほうがニュアンスがつかめる
――ここまで多くの人に手に取ってもらえたヒットの要因は何でしょうか?
【工藤】いろいろな要素があると思うのですが、一番ベースにあるのはやはり「英語をピクトグラムで見せるおもしろさ」だと思います。
よく本書がどんな本かを説明するときに使っているのが、look、see、watchの違いです。
3つとも日本語では「見る」という意味ですが、じつはそれぞれ使い方やニュアンスが違います。
lookは「目を動かして見る」という意味で、seeは「視界に入ってきたものを見る」、watchは「テレビやスポーツをじっくり見る」という違いがあるんですが、意外と大人でも説明できないんですよね。
ただ、これを文字で説明されてもなかなかパッと覚えられないと思うのですが、ピクトで表すとニュアンスの違いが視覚的につかめるよねというのが本書のコンセプトです。
こうした似た意味の類義語や、セットで覚えられる対義語、中学英語でつまずきやすい時制や前置詞の使い分けなど、日常生活や仕事で使うような英語をピクトでわかりやすく解説した点が、今までと違う英語学習本として受け取ってもらえたのかなと思います。
著者はじつはTOEIC280点の“英語難民”だった
――読者からはどんな反響がありますか?
【工藤】おかげさまで、老若男女の方々からたくさん反響を頂いています。ボリュームゾーンは40~50代で、男女比は4:6ぐらいです。
感想で一番多いのは、「自分も学生時代に英語が苦手だったから、当時、こういう視覚的に解説した本があればもっと英語を好きになったかもしれない」という声です。これは、この本を編集した僕自身もつくりながら感じていたことなので、とても嬉しい感想でした。
じつは、本書の著者のマークさんも、今でこそTOEICで940点をとって英語コーチをしていますが、学生時代は英語が苦手だったそうです。学生時代の英語の成績は平均点かそれ以下で、社会人になってからもTOEICでも990点中280点という“英語難民”でした。
でも、あるとき中学英語レベルの英文法から学び直しを始めたら、学生時代にはわからなかった「be動詞」や「品詞の機能」などがわかるようになって、どんどん英語の勉強がおもしろくなったそうです。


