ピクトを活かすための誌面のこだわり
――初めて英語学習本をつくるにあたって、大変だった点やこだわった点はどこですか?
【工藤】一番こだわったのは、誌面の見せ方です。まずはピクトがメインの本なので、ピクトが一番目立つ誌面にすることを心がけました。
ピクトはイラストよりも情報量が少ないので大きすぎてもスカスカの印象を与えてしまうんです。そのため、1見開きに何単語入れるのがベストか、デザイナーさんにレイアウト案を何通りも出してもらいながら決めていきました。
あと、例文や発音記号を入れるかなど、1見開きの情報量をどれくらいにするかという点はかなり悩みました。近年の類書を見ると、一昔前と比べると見開きの情報量がかなり少なくなっているので、なるべく詰め込み過ぎないように、いかに情報量を減らして、手に取ってもらいやすくするかも意識した点です。
対義語や類義語など誌面パターンも複数あったので、デザイナーさんにはかなり多くフォーマットデザインをつくってもらいました。
1日でAmazonだけで6000冊売れた
――現在、15万部とのことですが、発売当初から売れたのでしょうか?
【工藤】発売前から著者がSNS上の英語コミュニティで情報発信をしてくれたおかげで、発売当初からふだんの新刊よりも売れ行きは好調でした。ただ、一気に跳ねたのは、テレビでの紹介がきっかけでした。
TBS系列の朝の情報番組「THE TIME,」の「マーケティング部」というヒット商品を取り上げるコーナーで、本書を12分間にわたって特集してくれたんです。事前にAmazonにはかなりたっぷり在庫を用意していたのですが、番組放送後30分で在庫切れになりまして。結局、その日はAmazonだけで6000冊以上売れて、すぐに大増刷が決まりました。
この番組のディレクターに言われて印象に残っているのが、「ピクトグラムはテレビと相性がいい」という指摘です。ピクトグラムは視覚的なので動画で展開がしやすいという意味で言われたのですが、実際、その後もいくつかのテレビやネット番組で取り上げてもらえたので、ディレクターさんの言う通りでした。


