処女詩集『あこがれ』で成り上がる予定が……

しかし、明治37年頃の啄木はまだまだ強気で、困っている素振りはゼロ。当時は記念すべき処女詩集『あこがれ』の出版準備中で、この一冊で文壇の若きスターに成り上がる予定でした。

それゆえ紋付き羽織に(質屋で中古を7円で買った)仙台平せんだいひら)はかま)をまとい、最高級の煙草「敷島」をふかしながら、移動は人力車……。