出産と育児が突きつけた、キャリアの壁

猪原さんは、以前は大阪のWebマーケティング会社の会社員だったが、赤字のグループ会社へ出向を命じられた。ミッションはEC事業の立ち上げによる黒字化。出向メンバー6人で100人規模の社員を束ねることになった。猪原さんは既存社員からの改革への激しい抵抗や意見の食い違いに苦しみ、非常階段やトイレで涙を流す日もあった。それでも悔しさをバネにがむしゃらに働き、月商3000万円を叩き出すまでに事業を成長させた。

やまやま代表取締役、社会起業家の猪原有紀子さん
写真提供=やまやま
やまやま代表取締役、社会起業家の猪原有紀子さん

入社3年目にはマネージャーに抜擢され、さらに成長したいと自費でビジネススクールに通って経営を学んだ。

結婚後、年子で出産。重症妊娠悪阻、産後うつ、キャリアの断絶など、立て続けに人生の壁に直面する。未来が見えず気分がふさぎがちになったが、キャリア志向が強かった猪原さんの仕事への情熱は冷めることはなかった。育休中に子ども服のECサイトを立ち上げ、広告費をかけずSNSだけで1年で400万円を売り上げた。この経験が、後の起業の素地となる。