20歳の反発

上村さんは高校卒業後、事務系の専門学校進学のため、福岡市内で一人暮らしを始めた。やがて2歳年下の彼氏との交際が始まると、「同棲して結婚しよう!」と盛り上がる。それを知った母親は猛反対した。

「田舎の地元を離れ、誰も知っている人がいない土地での暮らしでタガが外れた私は、ずっと不足に感じていた親からの愛情を彼氏に求めました。クールだった母は、20歳そこそこで年下の彼氏と『同棲して結婚する』と騒ぐ私に、生まれて初めて声を荒らげて反論してきました。我を忘れ、体当たりで阻止しようとする母の姿に、『今さらだよ』と白けた気持ちになりました」

携帯電話のない時代。母親が送ってきた手紙には、「自分を大切にするように」と書かれていた。その言葉は、ずっと「大切にされていない」と感じていた上村さんには響かなかった。