創業者の気に入る事業継承はない

「自分のことで言ったら、1983年に枚方で、32歳の若造が32坪の蔦屋書店を作った。どうやって仲間を集めどうやって口説いたかその時の相手の表情、物件をどう確保したか、不動産屋とのやりとり、工事が始まったときのトラックの出入り、コンセントの位置やら掃除のこと、初日のレジの締めまで今でも鮮明に頭に焼き付いてる。だから創業社長は誰よりも会社のことをわかってると思っている。実際は、自分の子供と一緒で一番わかってない場合も多いんやけど、まあわかってると思ってるわけや。だから、誰に任せたとしても、自分のイメージとは違うから、結局は『気にいらん』わけよ」

それで我慢できずどうしても口を出して自分のイメージに合わせたくなる。そうなると継いだ人間はおもしろくない。能力があればあるほど辞めてしまう。で、結局、創業者本人が復帰してまた続け年だけとっていく。事業承継がうまくいかない原因は、たいていそこにあると増田は言う。

「口出しするくらいやったら自分でやったらええという話やから、どんなに気に入らなくても一切口出ししないというのが俺の持論」