0.01秒差の攻防

しかしながら、女子100mハードルの東京世界陸上参加標準記録は12秒73。福部にとってセカンドベストとなる記録を菊池病と戦いながら目指した。日本選手権で悪化した左膝と右アキレス腱の痛みもあり、練習をセーブして、出場試合も調整。8月の3連戦が最後のチャンスとなった。

酷暑の8月。3日の北麓ワールドトライアルは予選で12秒80(向かい風0.9m)。同月9日の実業団・学生対抗競技大会は12秒74(追い風1.1m)と目標タイムにわずか0.01秒届かず、「菊池病になっていなかったら」とうなだれ、悔し涙が自然にあふれ出た。