佐々木 譲(ささき・じょう)
1950年、北海道生まれ。本田技研勤務を経て、79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。90年『エトロフ発緊急電』で、山本周五郎賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞。2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞。10年『廃墟に乞う』で直木賞を受賞。

東京という街を舞台とした復讐の物語である。

グレーゾーン金利の問題が取り沙汰され、消費者金融会社が規制の強化によって解散してから数年後のことだ。過去に激しい取り立てを行っていた元社員が、次々に奇妙な方法で惨殺されるという事件が起こる。その捜査に乗り出した2人の刑事は、事件の背後にかつての多重債務者たちが働く小さな清掃会社の存在があることに気付いていくのだが――。

(本田 匡=撮影)
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多重債務者救済と資金需要のバランス