警察官の「捜査権」vs.外交官の「外交特権」

第2に、第1と関連して、外交官が思いがけず犯罪に巻き込まれた場合、現場の警察官との間で外交特権をめぐってもめることがあるためだ。現場の警察官と外交官の間には、捜査権と外交特権の摩擦があることに加え、語学力の壁がある。日本語を話せる外交官、英語のできる警察官もいないわけではないが、双方が現場でうまくマッチングするとは限らない。

そこでリエゾンの出番となる。リエゾンとして日ごろから大使館と顔つなぎができており、警察の論理と外交特権の両方について理解している立場の人間がいることで、しかも語学力があることによって、間に入りトラブルを外交問題に発展させる前に収めることができる。

どの国でも、外交官や大使はその国の顔である。警察の論理だけで、相手のメンツをつぶすようなことがあれば、国家間の問題に発展しかねない。ともすれば日本の国益を損なうことにもなりかねないことから、双方の論理を知り、間に立てるリエゾンが必要となる。つまり、リエゾンを効果的に使うことで、相手の顔も立て、日本の国益を守ることもできるのだ。