Q ある日、果物屋さんが、ドリアンとパパイヤを同じ数だけ仕入れました。その日、ドリアンは22個、パパイヤは48個売れました。売れ残ったドリアンはパパイヤの数の3倍でした。この日仕入れたドリアンとパパイヤは何個ずつだったでしょうか。
出典:『世界一の学力がつくシンガポール式算数ドリル』(平凡社刊) 答えと図解は後述。

最近一部で注目されているのが、シンガポールの子供たちの算数力。国際的な学力調査では常にトップクラス、アメリカとカナダでは計2000校ほどで、シンガポールの教科書を使って算数の授業を行っているという。

シンガポールではいったい、どんな算数教育を行っているのか。『世界一の学力がつくシンガポール式算数ドリル』(平凡社)の著者で、現地在住の田嶋麻里江氏にレポートしてもらった。

シンガポール式算数の主な特徴は、文章題に重きをおいていること、そしてメード・イン・シンガポールの算数メソッド、「バーモデル」を多用する点だ。

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これが魔法のバーモデルだ!

バーモデルとは、文章題の中で基準となる数をまず見極め、それを1ユニットとして、他の数との関連を図に表したもの(図参照)。未知の数値を未知のまま視覚化して、取り扱いやすくするのがミソ。日本では鶴亀算や旅人算などのテクニックや、方程式を使わなければ解けないような問題も、バーモデルを使えば比較的簡単に解けてしまう。

単純な計算スキルは、家庭で習得するのが前提。学校での学習指導は、各種の文章題や数学的推理や図形といった、応用問題が中心となる。筆者の息子はシンガポールの公立小学校に通っているが、初めてその宿題を見たとき、問題のレベルの高さに言葉を失った。

さらに、優秀な成績を修めるとマクドナルドの出前や商品券がもらえる成果主義、全国共通の小学校卒業試験に合格しなければ中等教育に進学できない制度など、日本では考えられない世界が展開されている。シンガポールの初等教育、恐るべし。

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