回復が見込めず、元の生活にも戻れない
「骨折しても、手術をすれば元通りになるのでは?」と思われるかもしれませんが、高齢者の場合はこれがなかなか難しい。
高血圧や脂質異常症などで「血液をサラサラにする薬」を飲んでいる人、糖尿病の人、心肺機能が低下している人の場合は、手術を見送ることがあります。なかには「手術は怖い」と拒否する人や、家族に心配をかけたくないと痛みを隠し、手術をしないまま時間が経ってしまうケースもあります。
また、骨折は時間が経てば自然によくなり、元の生活に戻れると思われがちですが、高齢者の場合はそうとも限りません。とくに大腿骨近位部骨折は「ヒップアタック」とも呼ばれており、1年後には図表2のように、半分以上が介護が必要となったり、ほかの部位も骨折していたりします。それだけではありません。骨折後の5年生存率は46%というデータ(Tsuboi M, Hasegawa Y, Suzuki S, Wingstrand H, Thorngren KG:Mortality and mobility after hip fracture in Japan: A TEN-YEAR FOLLOW-UP. J Bone Joint Surgery. 2007;89- B(4):461-466.)もあるのです。
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