小さな子どもがイライラしているとき、大人はどう声をかければいいのか。東京学芸大学附属世田谷小学校の教諭・沼田晶弘氏は「子どもがストレスを抱いている様子に、ポップなあだ名を付けるという手があります。私がよく使うのは『イライラコップ』というあだ名です」という——。

※本稿は、沼田晶弘著『one and only 自分史上最高になる』(東洋館出版社)の第3章「ストレス」を再編集したものです。

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いろんな「イライラ」が注がれるあなたのコップ

コップを想像してください。

マグカップ? ワイングラス? いや、ごくふつうのガラスのコップでいいかな。そのコップを「イライラコップ」と名付けることにしましょう。

あなたのイライラコップには、日々、いろんな「イライラ」が注がれます。「毎日忙しすぎる」とか「あいつのあの言い方はなんだ」とか、まぁ、いろいろ。

コップのサイズは人それぞれ。イライラの水が即座にいっぱいになってしまう小さいコップの人もいれば、割と待っていられる大きいコップの人もいます。

で、コップの隅の方を見てみると、あれっ? ……このコップにはどうも、穴がついているみたい。

注がれるイライラが、その穴からちょろちょろと、出ていっています。ムカつくことがあっても、おいしいごはんを食べて、ぐっすり寝て次の日朝起きたら、忘れていたり、まぁまぁそこまで怒ることでもないか、と冷静になっていたりすることがあるでしょう? それは穴からイライラが排出されているから。

穴もまた、人それぞれ。大きい穴の人もいれば小さい穴の人もいる。たとえばそうですねぇ、ボクの場合、イライラでコップがいっぱいになってきたとしても、ゴルフに行ったらかなり排出できると思う。

だからボクのコップの穴はゴルフ、でしょう。しかも大きい穴です。