※本連載は、プレジデント誌連載「リーダーの掟」に巻頭エッセイを加筆したものです。

連載2回目の「飯島勲のスモーカーズ・コーナー」だ。前回の話では、小池知事の人気取り政策が意味がなくなってしまう可能性を指摘させてもらった。都議会自民党の関係修復を果たさないと小池知事の政治生命が終わってしまうことを述べさせてもらった。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/philpell)

そして、今回は、タバコ条例について、知事を支える役人の立場についても指摘させてもらいたい。

霞が関(つまり、霞が関にある中央省庁)では、タバコ関連法案の制定は、「担当の役人を精神的にトコトン追い込む」ことで有名だ。

なぜなら、禁煙を推進する勢力は、タバコを根絶やしにしない限り振り上げた拳を下ろさないし、逆に、タバコを容認する中小零細飲食店からは、「これ以上の規制をされるとお店が潰れる」という切実な悲鳴が届けられるのだ。

今、東京中の飲食店の店主が小池知事に深い恨みを持っているのは容易に想像がつく。この禁煙派、容認派はどんな落とし所を提示しても納得することは決してない。結果、担当者はメンタルをやられてしまうのだ。

だから、私はそんな危ない案件に触らず、国に面倒事を押し付けてしまって、東京都は、23ある区ごとに違う屋外規制を統一するなどの音頭を取るべきだと小池知事にアドバイスしていたのだ。実際に、外国では路上喫煙は許されている国があるのだから、路上喫煙をしてしまう人が出てくるだろう。そんな状態で、例えば千代田区では罰金2万円を取られ、隣接する中央区では罰金なしと言われたら、ますます混乱する。

東京・銀座の数寄屋橋交差点付近のガード下では、どちら側で吸ったかによって罰金2万円と無料と落差が大きい。こんな状態を放置しておいていいのか。ガード下の区域は非常に曖昧なようだ。

千代田区の職員に路上タバコを咎められても、「いやいや、中央区です、ここは」で、言い逃れができてしまう可能性すらある。中央区が風上で、千代田区が風下だった場合、中央区で吸って千代田区のほうへ吐いても罰金は取られない。やはり統一すべきだろう。

笑ってしまうが本当の話だ。

今回のテーマは、厚労部会長に就任した小泉進次郎氏についてだ。父の純一郎氏は厚生大臣に就任したことがあり、私はそれを支えていたが、医療、介護などほんとうに大事な分野である。