誰もがスマホを持ち、写真を撮って目の前で起こったことを投稿する時代になった。膨大な投稿内容をAIで解析し、ニュースを見つけるサービスを提供する若者がいる。民放キー局や大手新聞社が頼りにするベンチャー通信社の実態とは――。

中3で航空業界のニュースを発信する専門サイト立ち上げ

【田原】米重さんは子どものころからニュースオタクだったそうですね。

【米重】新聞とテレビのニュースが好きでした。私自身は覚えていないのですが、家族の話だと、3歳ごろから普通に新聞を読んでいたそうです。記憶にあるのは、政権でいうと村山政権あたりのニュースです。

【田原】どうしてニュースが好きだったのだろう。

【米重】新聞が普通に家で購読されていて、目につくところに置いてあったからでしょうか。それを自然に読むようになって、政治や経済に関心を持つようになりました。

【田原】中学生のころは航空業界に興味を持っていたそうですね。

【米重】同級生に飛行機に詳しい友達がいて、彼の影響です。ただ、私が興味を持ったのは、機体そのものよりも航空行政。たとえば東京-札幌は片道3万~4万円ほどですが、ロンドンから同じような距離を飛ぶのに5000~6000円しかかからない路線もあります。この違いは何だろうなというところから、航空行政に関心が向かうようになりました。

【田原】そんなことを考える中学生なんているんだ。具体的に何かしたんですか?

【米重】まずは情報収集です。新橋に航空図書館があって、そこに行くと、運賃や輸送量といったデータがわかります。あとは全日空や日本航空に見学に行ったり、航空会社にお勤めの方に話をうかがったり。それが高じて、中3のころに航空業界のニュースを発信する専門サイトを立ち上げて4年ほど運営していました。