今年3月、デニーズがメニューの半数以上を見直すという大改革を行った。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は、「外食産業はいま需要拡大が続いている。過去に例を見ない規模でのメニュー改定によって、この需要を取り込みたいのだろう。だが、主力商品のパスタに関する変更には、不安材料もある」という――。
ファミリーレストラン「デニーズ」(写真は東京都渋谷区・南平台店/編集部撮影)

131種類のうち70種類が変更

3月13日、ファミレス「デニーズ」が、過去最大規模となるグランドメニューの改定を実施した。見直したのは131種類のうち70種類。ハンバーグやパスタなど既存のメニュー27種類の品質を向上させ、43種類の新規のメニューを投入。デニーズではこれまで、一度に改定の対象になるのは全体の2~3割程度にとどまっており、5割超となるのは異例の規模といえる。外食産業はいま、需要拡大が続いている。メニューを大幅刷新することで、この需要を取り込もうという考えだろう。

セブンのおにぎりと同じもち麦を使用

主力商品のひとつであるハンバーグでは、「All Beef ハンバーグ~たまねぎソース」を新たに投入した。素材には、牛肉の世界三大品種のひとつであるアンガス種を使用。肉の比率をこれまで以上に高め、うまみを感じる仕立てにしたという。食感は従来のしっかりしたものから、ふっくらしたものに変更した。このほかのメニューでも、素材を切り替えたり、味わいや食感などを変えたりと、大胆な見直しを行っている。

All Beef ハンバーグ~たまねぎソース(画像提供=セブン&アイ・フードシステムズ)

デニーズがセブン&アイ・ホールディングス傘下である強みも発揮された。たとえば、新メニュー「ローストビーフとケールの24品目彩りサラダ」にはもち麦が使用されているが、これはセブン-イレブンのおにぎりで使うもち麦と同じものだ。ワインはセブンのプライベートブランド「セブンプレミアム」のものを導入し、299円(税別)から199円(税別)に値下げした。