女性幹部候補の母集団を増やす「女性経営塾」

櫻田謙悟・SOMPOホールディングス社長

ダイバーシティというと、日本ではすぐに女性活用に結びつけられる。もちろん、女性の活躍はSOMPOホールディングスにとっても不可欠であるが、たとえば、社外取締役からダイバーシティを経営戦略にまだまだ活用できていないと指摘される際の「ダイバーシティ」は女性の活躍だけを差したものではない。

当グループでは「Diversity for Growth」を掲げ、女性だけではなく、外国人の活用についても積極的に取組んでおり、トップダウンでこれらの取組みを加速させるため、2013年10月に「ダイバーシティ推進本部」を設けた。ダイバーシティ推進はそれ自体が目的なのではなく、企業である以上、成長に結びつけるために取組むものであり、そのために最も重要な経営資源である女性や外国人を含めたすべての社員に活躍してもらいたいと考えている。

女性の活躍に限って話をすると、私は昨年6月、内閣府の「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」に出席した。森まさこ・男女共同参画特命担当大臣(当時)を中心に経済界からもトップが顔を揃えた会議では、女性の役員・管理職登用について「数値目標を持つべきか」がテーマになった。これについて私は絶対に数値目標を持つべきだと考えている。目標を導入し、その進捗を問われることで、経営トップの努力を一層促すことができると考えているためである。

SOMPOホールディングスも女性管理職比率を2015年度末までに10%以上、2020年度末までには30%以上にする目標を掲げている。それには、将来の女性幹部候補の母集団づくりが大切になってくるが、既に2012年1月から女性の経営幹部候補育成プログラムとして「女性経営塾」を開講し、これまでに約60人が参加している。今後、こうした社員が、100人、200人となってくれば、しっかりとした母集団が形成され、目標の達成は時間の問題になってくるだろう。