あなたは「腰が痛いから病院に行きたい」「肩こりがひどいので早退したい」と職場に伝えられるだろうか。つらい痛みを我慢して仕事をするのは美徳と思われがちだが、パフォーマンスの低下によって年間約2兆円もの経済損失が生じている――。
欠勤よりも大きい「はかどらない」損失
腰痛や肩こりに悩んでいる人は少なくありません。しかし、これらの症状は「よくあること」「たいしたことではない」と軽視されがちです。ところが、近年のさまざまな研究から、それらの慢性的な痛み(疼痛)が、日本経済に深刻な損失をもたらしている可能性が明らかになってきました。
従業員の健康問題が企業の生産性にもたらす損失には、「アブセンティーイズム」「プレゼンティーイズム」という2つの要素があります。アブセンティーイズムとは、仕事を休むことによって仕事が「できない」状態のことです。一方のプレゼンティーイズムは、出勤はしているものの、体調不良のために仕事が「はかどらない」状態を表しています。
日本人労働者約1.2万人を対象にした研究によると、企業における従業員の健康問題に関する損失の内訳は、医療費・薬剤費が25%、アブセンティーイズムが11%に対して、プレゼンティーイズムが64%を占めています(※1)。休むことによる損失よりも、調子が悪いまま働くことによる損失のほうがはるかに大きいのです。
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(構成=増田忠英)



