使い方次第で「感じの悪い人」に

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これが、仕事で受け取った不快なメールワースト5だ!

続いて3の文章では、自分の発注が遅れたことを棚に上げ、相手の遅れだけを責めています(A)。また、先方が書いた過去のメールを引用して証拠を突き付けていますが(B)、これでは相手の退路を断ってしまう。出来事を時系列に列挙して論破しようとするのも同様です。メールは証拠が残せ、順序立てて説明できる便利なツールですが、使い方次第で「感じの悪い人」になってしまいます。

Cでは、「御社とのこれまでの~」といい人をつくろいながらも、「こちらのほうが立場が上」という意識が出てしまっています。そして、無理をさせたのに感謝やねぎらいの言葉がなく、冷淡な締めで終了(D)。1つひとつは些細なことでも、「この人とは仕事をしたくない」と敵にまわす原因としては十分です。

4は、やる気が感じられず「一緒に仕事したくないのか」と思われる文章です。まず、冒頭からメール文例集をコピー&ペーストしたのが見え見えで手抜き感が漂っています(A)。決定的なのは、先方との温度差が大きいこと。相手がせっかく張り切っているのにそれに対して反応せずに本題に入り(B)、ミーティングの候補日を1日しか挙げない(C)のはあまりに冷たい。

Dの「ご自愛ください」というフレーズ自体は悪いわけではありませんが、毎回締めの言葉として使っていると、相手は案じてくれているのだなとは感じなくなります。かえってウソっぽく聞こえるので心にもないことは書かないほうがいいでしょう。

最後のメールは、件名が漠然としていて(A)緊急性を感じさせず、開封が後回しにされる可能性が大。また、宛名が複数で(B)、責任の所在がはっきりしません。行間が詰まっていて読む気が起きませんし、時系列で説明しているため、後半にならないと要点がつかめない。よく読めば超重要な用件だったことが判明するという恐ろしいメールです(C)。

何より、このメールには締め切りが明記されていません。それが「後回し」にされる最大の要因。「早めに」(D)というだけでは、メールを受け取った人は動かないと思ったほうがいい。メールの最終的な目的は、受け取った人を動かすことだと肝に銘じるべきです。

アイ・コミュニケーション代表
平野友朗

広告代理店勤務を経て独立。ビジネスメール マナー推進協議会会長、メルマガ コンサルタント。著書に 『ビジネスメールの 常識・非常識』など。
(構成=長山清子 撮影=永井 浩)
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