2010年代の半ばには俳優だけでなく、多くの芸能事務所の関係者とも関係を深めていく。その時の方法も一貫している。

〈これも何かの縁ですわ〉

〈僕は年齢も下ですから、これからは子分と思ってお付き合いさせていただきます〉

東谷と会話した事務所関係者たちの証言で共通しているのは、このように腰が低く、丁寧に頭を下げて回る東谷の姿だ。

天国から地獄へ…東谷の人生に起きた異変

「かわいげがあるやつだって印象はあったね。暴露動画で怒っている顔とはまったく別で、ニコニコして調子のいいことを言っていた。懐に入り込むのはうまかったということだ」(芸能事務所幹部)

たとえその場にいなくとも、関係者を満足させることで信頼を獲得する。当時の東谷が自身に課していた最大の原則だった。こんな話がある。ある時、北海道で地方競馬の賞レースを終えたばかりの有名ジョッキー、調教師の接待先に困った芸能事務所の関係者が彼に電話を入れた。どこか札幌市内に良い店はないか。ざっくりとした予算とともにそう東谷に尋ねると、すぐさま店の手配を終えたという連絡が返ってきた。連絡した通りに店へと入ると、準備はすべて整っており、満喫するだけで良かった。感嘆した件の関係者がいくら礼を述べても「大したことじゃないので。いつでも言ってください!」と謙虚に振る舞っていたという。

東谷は持ち前の話術で人の懐に飛び込み、厚い信頼を得ていた。頼られるのが好きな彼にとって、芸能人たちに囲まれた暮らしはまさに天国であり天職だっただろう。だが、2021年12月、Youtubeにアップされた一本の動画をきっかけに、東谷の人生は地獄へと転がり落ちる。

《被害額6000万》違法ギャンブルにのめり込むガーシー(58)に“うっかり大金を貸してしまった”「超イケメン2世タレント」の正体〉へ続く

オリジナルサイトで読む