歯磨き後に口をゆすいではいけない

歯磨きのあと、水で口をゆすぐのは常識と思われがちです。口の中が歯磨き粉まみれでは気持ち悪いと感じる人は多いでしょう。口の中のバイキンを出すためにも、口をゆすぐことは大切と思っているかもしれません。

これは日本人特有の感覚で、海外では歯磨きのあと口の中をゆすがない人も少なくありません。とくにフッ素の効能を子どもの頃から教えられているスウェーデン人は、フッ素を洗い流すことはしません。せいぜい口の中の余分な歯磨き粉を吐き出す程度です。

フッ素配合の歯磨き粉による歯磨き効果を求めるなら、口の中はゆすがないほうがいいのです。どうしても気持ち悪い人は、ペットボトルのキャップ1杯程度の水でゆすげば十分です。最初はもの足りないかもしれませんが、慣れればこれで十分になります。

【処方箋】 
歯磨き後のゆすぎは、ペットボトルのキャップ1杯分の水で十分

「歯を磨く時間が長いほうが良い」は間違い

【カン違い】
歯磨きは時間をかけて丁寧に磨く

磨きすぎは知覚過敏のもと

歯磨きについて日本では、昔から「3・3・3運動」が推奨されています。「食後3分以内に3分間、1日3回磨く」というものです。子どもの頃から、この習慣を守っている人も少なくありません。

絶対的な間違いとはいえませんが、問題はこれを過大評価して、「歯磨きをすればするほど、むし歯になりにくい」、ひいては「歯磨きにかける時間は長いほどいい」と誤解している人が多いことです。

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「私はむし歯になりやすいから、歯磨きには10分以上、時間をかけています」などと言う人もいます。磨くだけでは手持ちぶさたなので、テレビを見ながら、あるいはお風呂に入りながら30分かけて磨く人もいます。これは明らかに磨きすぎです。

スウェーデンのイエテボリ大学が考案した歯磨き効果を最大限に引き出すイエテボリ法では、歯磨き時間は2分としています。しかも、実際にスウェーデン人が歯磨きにかける時間を調べたところ、45〜50秒というデータもあります。45〜50秒でも、きちんとした定期検診を受けていれば、むし歯にも歯周病にもならないのです。